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 2011年の鮎シーズンも終わり、今年もまた備忘録として反省点などをまとめておこう。大会に始まり、大会に終わった感じで、あっという間のシーズンでしたが、シーズン全体を通して得るものが非常に多い年になった。終盤は迷いがなくなった釣りの検証をしたかったのですが、台風や大雨で消化不良気味の終わりだったのが唯一残念だった。


シーズン序盤
 解禁前に見たDVDや本で一番気になったのはやはり小澤剛名人の「レベルテンション」釣法。イメージは出来るがはたして実践できるのか。レベルテンションは、2010年自分なりにやってみた「常におとりに刺激を与える釣り」の延長線上にあるように感じ、入りやすく感じた。


 2011年は5月1日に解禁する河川も出てきて、三重宮川上流も今までより2週間早い解禁となり、5月14日の宮川解禁がスタートとなった。「レベルテンション」を意識してやってみるが、なかなかイメージが掴めず、結局ポイントで釣り方を変えてしまっていた。引いたり、止めて泳がせたり。6月になると大内山川も解禁になり、綺麗な鮎に楽しませてもらったが、「レベルテンション」の入口は見つかったが、出口が見えない状態のまま大会参戦に突入していった。


シーズン中盤〜終盤
 2011年は今までで最多の大会参加となったので、中盤から終盤にかけては大会を振り返ることにする。
 参加したのは、G杯、マスターズ(共に郡上)、ジャパンカップ(板取)、バリバス(大内山)、北越(郡上)、下馬瀬CUP、バリバス(郡上)、マスターズブロック(馬瀬川)、マスターズ全国、巴川遊鮎遊CUPと10戦も参加した。
 中でも6月、7月は大会ばかりで苦しい釣行の連続。毎週のように3,000円支払って数匹釣らしてもらい、帽子だけが増えて行く。そんな中聞こえてくる熊野の絶好調の報、我慢しきれず1試合辞退して行ってしまいましたが。で、予選通過がマスターズとバリバス郡上だけ。G杯、ジャパンカップはぼうずで敗退。釣り方が全然定まらず、引いて駄目なら泳がせる、で失敗ばかり。マスターズとバリバスもどちらかと言うと泳がせで、入ったポイントが良く1回戦通過ができただけだった。それが証拠に試合中動いていない。


 何もつかめないまま迎えた初のマスターズブロック大会。2回の馬瀬川下見でも何か掴めた訳でもなくほぼ行き当たりばったりで参加。1回戦入る場所が良く通過、決勝、勘が冴えてなんと3位!いきなりの全国参戦。絶好調の熊野は封印して郡上で修行の身となった。
 郡上は鮎は多いもののどうやれば掛けられるのか分からないまま。転機はお盆だった。郡上2日目の夜に小澤名人に遭遇。翌日のストーカー了承を取り付け、半日釣りをピッタリ背後霊のように見せてもらう事にした。今までも小澤名人の釣りは少し離れて見たことは何度かあったが、今回はピッタリ後ろについての見学。そうすると今までとは全然違う感覚!DVDで何度も見ても解らなかったおとりをコントロールしようとする意志が分かる気がした。追われたりするとつい声が出てしまったが、名人から「今の分かりました?」と言われたりして、名人がどのようにおとりを管理し、感じ、釣りを組み立てているのかが良く分かった。
 そして見学中に「1匹掛けてみてください!」と竿を持つ機会を与えてもらったことが大きかった。見ていて感じた感覚をその場で検証、体感でき、体により鮮明に名人の釣りを覚えさせられた。この感覚を確かめてマスターズ全国大会に挑みたかったが、大会までには郡上で1日できただけ。それでも今までとは違って、そのポイントで待つのか、見切るのかの判断基準が、おとりから感じる野鮎の気配を持って明確に判断できるようになり、攻めの組み立てができるようになった。これは時間の限られた試合ではとても重要。その実証がマスターズ全国大会の場となった。
 マスターズ全国大会の感想は釣行記の通りですが、大会中すべて同じ仕掛け(小澤式背針常時使用)で、常におとりをコントロール下に置いた釣りができたことが最大の収穫だった。10月の巴川遊鮎遊CUPでは前半失敗したものの、後半は広く早く探って釣果を出し、満足できた。


 一般の釣行で印象深かったのは、マスターズ終了後、9月初旬の長良川釣行だ。郡上白鳥、郡上吉田川、中央鮎の瀬での3日間は、マスターズで得たものを確認しながら長良川の美鮎と遊ぶことが出来て最高だった。今思えば今年の長良川は、8月終盤から9月初旬が、短い盛期だったように思います。


何を学んだか
 おとりをどれだけ感じながら操作できるか。より感じるために背針は非常に有効である。背針は沈めるためではなく、おとりを感じるために使う。鼻と背中と鼻管上の3点を結ぶ三角形でおとりをつないだ方が、鼻管1点でおとりを繋ぐより動きが伝わるのは明白です。緩い流れでも早い流れでもおとりを感じることができれば野鮎の気配も分かる。沈めたい時は迷わずおもり装着!
 また、名手の釣りを生で見るのは非常に勉強になる。但し中途半端な見方はだめ。見るなら竿を持たず背後に付いて見るべし。


2012シーズンの課題
 課題は沢山できた。まずは体力。特に脚力。長良川や熊野川などの大きい河川ではやはり如何に立ちこんで安定していられるかが重要と感じた。マスターズ全国でも足が攣りそうになり1歩下がってしまったことが敗因だった。
 大会に強い名人たちは皆、流れに強いし、良く動く。


 次にバラシを減らすこと。仕掛け云々よりも自分の場合は掛かってからのタメ、浮かせに問題がある。少しでも改善せねばと強く思う。
 もうひとつ、シーズン終盤にテンションを掛けた釣りをしていて感じたことですが、長良川などの放流量が多い河川では、野鮎の反応が出た所で待つ方が掛かる気がしましたが、熊野や巴川の天然遡上鮎は、おとりを下げる=一瞬潜る動作をした時に反応することが多いように感じた。背針でおとりの状態が良く分かるようになったので、潜らせる動作を意識的にやってみたいと思う。


 最後に、ここ最近感じることがある。自分でここ数年上達できた、と思うのですが、これには釣行記を書くことがかなり寄与しているのではないかということ。特に失敗したことを書いておくことが良いのではないか。それはなぜか。
 人間は成功体験は自然に記憶するそうです。例えば、パチンコへ行って台を選ぶ時は、あの台で以前良い思いをした、とかこの回転数は当たり頃だとか良かったことを自然と台選びの根拠としてしまうのだそうです。で、失敗しますよね。プロは違う。データとその時見た事実(パチンコなら釘)だけを冷静に判断材料とできるのです。
 釣りでも同じではないか?あのポイントで良い目をした、誰かが入れ掛かりしていた、あの時間に掛かった、などの成功体験はデータとして活かせれば良いですが、妄想としてしまうと失敗してしまう。やはり基本は石色を見て、竿から伝わる情報を吟味してポイントを選ぶことが大切なのではないか。分かっていても成功体験が邪魔をする。ではどうやって冷静になるのか。それには失敗をきっちり頭に刷り込んでおくこと。で、釣行記なんです。


 deibuの場合、ホームページにUPする場合はまず思いついたままにザザッと下書き、それから校正、UPして確認と最低でも3回は読み返しをする。読み返す時は現場を思い出している。写真も使うのでなおさら思い出す。これは1度の釣行でも数回行った経験値となっているはず。釣行記を書くことによって自然と予習復習を実践できる。(学生時代に気が付けば人生変わっていたかも!)
 特に鮎釣りは、基本的に釣れるようになっている。野鮎が追ってくれば掛かるシステムになっている。釣れないのは何か間違っているんですよね。この間違いを排除していけば釣れるようになるのではないか。どうやったら釣れるのか、ではなく、なぜ釣れなかったのかを潰していけば必然的に釣れるようになる。このように考えるようになりました。
 良かったデーターは覚える必要なし。勝手に覚えているから。失敗は忘れようとする。だから覚えておく。なので2012シーズンは特に反省点をクローズアップして釣行記をまとめたいと思う。


 2012シーズンは私事が少し忙しく、大会参戦も絞らざるをえませんが、マスターズはブロックシードという大きなチャンスをもらっています。舞台となる馬瀬川は少し遠いですが、下見だけは少しでも多くしておきたいです。


竿の感想
 2011シーズンは競FW2.6を借りて大会中心に使い、プライベートではニューモデルのバーサトルH2.75を使用する機会が多かった。競FWは非常に完成された竿の印象を持った。軽量高感度は言うまでもないが、この竿の最大の美点はクセがないことでしょうか。胴調子でもなければ先調子でもない全体調子とでも言えば良いのか、掛かってからも竿全体で受ける感じです。テンションを常に掛けておとりを管理下に置く釣りにはピッタリ。2012はニューモデルになるそうなので、どう進化するのかとても気になるところです。
 バーサトルはFWと比較すると細かい操作はほんの少しだけ劣る感じはします。しかしパワーと持った感じの肉厚感はどんな川でも安心できます。本当は熊野川や長良川中央でもっとガンガン使いたかったのですが、それは2012シーズンにお預けです。また、天然遡上河川でやってみたい「潜らせる」動作はやはりソリッドの方がし易く思う。
 

 昨シーズンの反省と今シーズンの課題

ポイント(Googlemapにリンク) 釣 果 竿 天井糸 上付け糸 水中糸 下付け糸
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鼻管ハリス 手 尻 針ハリス 逆さ針 鼻 管 その他
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