※今回カメラを持っていきましたが、電池を忘れて写真なしです。長文テキストだけで面白くありませんが、よろしければお付き合いを。

 マスターズ中部ブロック大会参戦です。土曜朝に現地入り。斉藤さんと掛川のじゃじゃまるさん、S田さんと下見をしました。今回の下見の課題は、エリア内で今年まだ竿を出していないエリア上端ふれあい橋から水泳場までと神手橋下流エリアを見ておくこと、前回までの下見で得た感触に合わせた仕掛けを試すことです。
体調悪く体温計持参。起きたときは平熱でしたが、到着したときには7度1分。微妙です。明日の本番は早朝6時スタートですが、この日は7時過ぎのスタートになりました。今までの下見の感触から、ブロックのエリア内はとても鮎の密度が高いです。どこにでも鮎はいます。その鮎を如何に追わせるのか。これが課題です。
 瀬の良いところは散々攻められてしぶい。簡単に上飛ばしできるような緩い流れでは時間が掛かりすぎる。どこを狙うのか。二つ考えました。
一つ目は深く強い流れには縄張りを持った鮎が居ますが、そこでおとりの鼻を引かずに攻めるのはかなり技術が必要です。またエリア内でこの深く強い流れがある場所は限られています。
二つ目は元気なおとりならなんとか泳ぎあがるような流れで徹底的に泳がせること。これなら各所にポイントはあります。
 二つ目を選択しました。竿はおとりの泳ぎを助けるようなイメージでソリッドのRS、水中糸はGOSEN感激プレミアム0.03号、下付糸を無にして鼻管ハリスをフロロ0.6号32pに直結編み込みしました。鼻管はタモ絡みが少ないと言うがまかつの満天、逆さは孔が大きくて老眼なしでもハリスが通せるタックルインジャパン製3号、針ハリスは腰のある1号と軟らかい0.8号、針はメインに楔SP6.0号と6.5号ともに4本錨です。この仕掛けでイメージした釣りができるのか。
 おとりを手元から放し野鮎に反応して泳ぎだすまで待ちます。野鮎は多いので少し待てば動き出します。鮎の行く先に仕掛けを持っていくようなイメージで待つと掛かりました。掛かり鮎をうまく使って泳がせれば掛かります。お昼頃スコールがあり、止むのを待って午後は神手橋下流へ。少し濁りが入って、それが消えていく頃は瀬で良型がバンバン追ってきました。かなり早い流れの中で泳がせるイメージです。細糸は技術をある程度までならカバーしてくれます。この日の釣果は20匹でした。イメージに合わせた仕掛けは合っているようなので明日もこの攻め方でやってみます。

 試合当日。抽選は開始が下流エリアからのB−62番です。斉藤さんが同じB-63番。昨日感触の良かった神手橋のエリア下限近くに向かいました。斉藤さんは大岩が点在する瀬に掛かるタナ、deibuは瀬が落ちて開いたところです。すぐ上には木全名人。昨日竿を入れていませんが、昔から変わっていないポイントです。右岸よりで小砂利が黄色く輝いています。その中に黄色や茶色の石が点在しています。手前の流れは捨てて最初からそこを狙う。おとりが小砂利の上を這って深いところへスムーズに入って行くといきなり掛かる。黄色い良いにおいがする鮎です。ここで開始1時間足らずで5匹掛かる。でも見える範囲で斉藤さん、木全さんも掛けているので予断はできない。木全さんが下流へ動く。斎藤さんも下がってきて木全さんがやっていた場所へ。deibuも見きって一段下のタナへ。しかし下がったポイントで掛けられない。瀬の荒いところへ動く。ウグイが掛かる。木全さんがやった後は厳しいだろうと思っていましたが、そこに入った斉藤さんは順調に数を伸ばす。最初にdeibuがやっていた場所に上がってきた木全さんも掛けている。自分だけ失敗。斎藤さんがやっていたタナでなんとか1匹拾って込8匹でエリア交代のため川を上がる。
 センターの豊年橋到着100m手前で後半戦開始のホーンが鳴る。ボーダーを14匹で設定し、あと6匹釣りたい。豊年橋上流の瀬に入れるスペースがある。上に瀬口さん、森川さん、対面にじゃじゃまるさん。普通の流れに入れても反応がない。手前のきれいなところを攻める。ビュン!2匹目も続く。良い感じ。3連発かと思ったらアマゴ。攻め手を欠く。瀬の中のピンスポットを泳がせようと試みるがイメージ通りに出来ない。焦りも出てくる。まだまだ時間は十二分に有る、と自分に言い聞かせても竿操作にはちょっとの焦りが微妙に影響します。森川さんも瀬口さんも動いて掛けています。自分も動く。苦労の末やっと2匹追加して予選を終えました。込12匹。自分の周りでは良く掛かっているように見えたので諦めていましたが、ABともボーダーは11匹でセーフ。   Bエリア2位が森川さん、3位が斉藤さん、deibuは6番でした。今年のマスターズは地方予選から決勝は予選釣果順になりました。ABエリアから各12名、シードの小澤名人を加えた25名が全国切符5枚を目指します。(昨年までは中部ブロックから4名でしたが、今年は予選参加人数の比率で5名に増えました。)決勝エリアは昨年までは予選ABの全エリアでしたが、今年は上流通称水泳場から下流は神手橋までと短縮されました。
 決勝のプランはどうするか。ポイントは下流の神手橋上流の瀬を目指します。理由は上流のほうが人が多そうなこと、瀬の中を泳がせるポイントが多いこと、活性が上がりどこでも掛かるような状態になった時にポイントが多いことです。そこまで行って石色が良いところを狙う。先行した斉藤さんが左岸から瀬を狙うポジションを取りました。神手橋直下のトロに落ちるガチャガチャの瀬は浮石が多くあまり良くありません。その上の瀬です。deibuは周辺石色が良く見えた70mほど上の右岸に立ちました。上流は3名ほど。
 予選とは違い岸際に立ち手前の筋を狙ってそっと養殖おとりを送り出します。たるみで馴染ませて待つと自力で流れに入って行きます。それをサポートするように丁寧に竿操作。流れを横切ると1発でイメージ通りに掛かる。30分で6匹掛かり好発進。但し良いおとりを上の段まで登らせても掛からない、流芯へ泳ぎ込んでも掛からない。掛かったのは畳2畳ほどの狭い流れだけ。少し悩む。下流の瀬では斉藤さんが良型を入れ掛かっている。出だしはdeibuが早かったもののあっという間に逆転される。見ていると左岸からかなり立ち込んで右岸側におとりを入れている。自分もそうでしたが予選時は選手がうろうろしていただろう岸に近い流れが良いのか。6匹掛けて当たりが遠のいたので少し下がり右岸際を探ってみる。
 斉藤さんも瀬での当たりが遠のき少し上がって左岸岸際から手前の流れを攻めている。斉藤さんはこの時3匹追加した。deibuはこの時に1匹しか追加できなかった。これでパターンが見えなくなる。次どう動くか根拠がない。「とりあえず」流れに入れてみることになる。良い流れから出ない。どうもおとりが浮き気味。時間は過ぎる。どう動けばいいの?
最初の場所に戻り流れに入れると1発で掛かった。これは!良いおとりでぐんぐん流れに入って行く。掛かる泳ぎ。掛かるぞ!掛かるぞ!と、この大事な時に痛恨の根掛かり。しかも外れない。仕方なく回収に。流れのちょうど真ん中くらい。ポイントをつぶしたのでその位置から気になっていた左岸側の流れを探ってみる。2連発。やっぱり居た。残り5分、集中するが掛けられず。込の12匹で夢破れる。斉藤さんはまた瀬に戻って1匹追加し13匹で3回目の全国を掴みました。たった1匹ですが、競技をやる方なら分かると思いますが、この差が大きいです。残念ですがこれが今の実力だと理解せねば仕方ない。

 優勝は17匹で高橋祐次名人。開始時小澤剛名人の下流で4匹掛け、その後豊年橋下流の瀬へ移動。仕掛けを変えおもり2.5号でヤナギの下を攻めて入れ掛かりだったそうです。通常ならヤナギの下は竿抜けですが、このエリアに竿抜けは有りません。攻めたのはヤナギの下の更に奥の底でしょう。deibuのイメージでは馬瀬川でおもり2.5号は考えません。携帯もしていません。豊富な引き出しから最適を導き出すのが高橋名人の強さですね。2位は小澤剛名人。豊年橋下流の瀬が落ちて開く深瀬をきれいに釣って16匹。下見の結果から、今年の馬瀬川は水深がある強い瀬が良いと考えたのでその場所を選んだそうです。2時間そのポイントで釣りきりました。他の人が同じ場所へ入っても同じだけ釣れません。完成された技術で釣っています。3位は木全名人。前半1時間は1匹だったそうですが、後半豊年橋直下を攻めて13匹の入れ掛かり。動いていろんなポイントにおとりを入れて攻めていました。攻め続ける姿勢が掴んだ結果ですね。4位は我が師匠斉藤さん。これで3回目です。すべて地方予選から。やはりまねのできない完成された竿捌きは本物です。5位はdeibuのかみに入って居た方です。小移動を繰り返しながら良く掛けていました。deibuの上下の人が全国へ!と言うことは自分にも十分チャンスはあったと言うことですね。攻めきれなかった自分に腹が立つ!

 今回の反省点など
予選決勝とも開始時の攻め方は良かったのに、ポイント移動した先で同じように攻められない。具体的に言うと待てない。焦る。普段の釣りからこれを直す。仕掛けは良かった。針もやっぱり楔SPは良く掛かる。明確なバレは決勝で2回のみ。それと満天鼻管はほんとタモ絡みしませんね。おとり交換時にストレスなく良いです。

 今回身近な斉藤師匠が全国切符を獲得しました。このホームページでも何度か書きましたが、本当に竿捌きがうまい。どんなイメージかと言うと、元気なおとりを完全にフリーで泳がせている時のような良い状態を竿先がおとりより上で操作している感じです。竿は常に水面に対して45°くらい。引くでもなく泳がせるでもなくソリッドの穂先が曲がらないようなテンションでおとりをリードしています。キモは流れに対しての竿の角度が鋭角なこと。おとりが元気な時こそ角度が開くときは有りますが基本鋭角です。その方がおとりに無理がないそうです。今まで何度も真似ようとしましたができません。年季が違います。小学校の時から学校へ行く前も帰ってからも竿をだし、高校大学時代は鮎を売って結構稼いだそうです。ラインはいつもメタコンポ0.05号、針もダイワのスピードがほとんど。背針無し。仕掛けは信頼性が一番の選択理由。そう考えると小澤名人も似ています。スタイルこそ違いますが、おとりが良い状態で泳ぐ時間が長い。仕掛けもバリエーションは少ない。やっぱり釣り込んで釣り込んでたどり着いた今のスタイル。皆が真似しようとしても追いつけないのは実際におとりを泳がせた時間が違うからかもしれません。昔、小倉均名人が細仕掛けに頼ると上手くならんで!と言われたことがありました。まさにこれですね。でもこの年季の差をカバーしてくれるのは道具や仕掛けです。細糸にすればおとりはいつもより良く泳ぎます。今回もそのおかげで一応戦えましたが、仕掛けが合っていなかったらアウトです。もっと斉藤さんの釣りを研究して竿捌きの技術を高めたいです。
 
2011年の写真ですが、ほとんど変わっていません。左上の白っぽく見えるところを攻めました。 2012年の写真です。ちょうどこの位置に立ちました。真ん中にある石より手前ばかりを狙いました。
決勝の様子。小澤剛名人と高橋祐次名人競演はなかなか見られませんね。じゃじゃまるさん撮影 決勝の様子。下流が斉藤師匠です。deibuが最初の立ち位置から下がって悩んでいる時ですね。じゃじゃまるさん撮影
3回目の全国を決めた斉藤師匠!

  マスターズ中部ブロック大会参戦記 7月 19日、20日 

ポイント(Googlemapにリンク) 釣 果 竿 天井糸 上付け糸 水中糸 下付け糸
大会エリア 20匹
20匹
シマノ競RS R 9.0 フロロ0.6−4m 無し 感激PRE0.03号-5m 無し
鼻管ハリス 手 尻 針ハリス 逆さ針 鼻 管 その他
フロロ0.6-32cm 10cm 楔SP6.0,6.5号-4本 フロロ0.8、1.0 タックルインJ3号 G満天5.5mm 無し