鮎シーズンも最終盤のこの時期の大増水はおとり屋さん、漁協、釣り人全てが困ってしまいますね。この周辺では長良川水系だけが竿出し可能な様子。垢があるか、掛かるかは二の次です。行くしかない。中央はまだ随分水が高い。郡上まで行って五町の瀬を橋から覗くとほとんど白いが大きな石やヘチには垢が残っている様子。やってみますか。今回は斉藤さんに榎本さん、和人君と三重からハルさん、マーシー隊長も参加でにぎやかです。では今回は特別編で。(敬称略)


 ここ数日の荒れた天候により戦地の状況は大きく変わっていた。吉田川の合流点付近にベースキャンプを張り、状況を把握するべく総隊長の指示の基、各隊員が散って行く。荒天による増水で分流を渡るのにも水の冷たさも相まって根性が必要だったが、関西激流軍マーシー総隊長の目が光り、一歩踏み出せば後退は許されない。前進あるのみ。浅場の残り垢には沢山の敵兵痕跡を発見!
 deibuは高速出口の橋下から探ってみる。生命反応を感じない。上流では関西激流軍高級参謀、人呼んで「人間魚雷のハル」やマーシー総隊長自らが果敢に流芯大石狙いで突撃するも攻撃目標たちの気配がない様子だ。皆が手分けして、隠れていないかつぶさに捜索するもどこに潜んでいるのか1匹たりとも見つけることができず。
 そんな中、deibuが見捨てたエリアで和人少将がなんと良型を確保した模様。皆が色めき立ち、現場の空気にも緊張が走るがこれは単なる逃げ遅れだったのか後に続くものは居ない。皆はこのエリアを諦め下流方面へ。deibuは1匹確保された付近を中心にしつこく攻める。複数で潜んでいるのではないかと推測したのだ。石裏で待ち伏せしているとグリグリッと掛かった!小型だったがこれで形勢が変わるか!
 おもりを背負わせ絶好の隠れ家である瀬肩流芯へ特攻させるとドカーン!敵兵発見!躊躇なく戦いを挑んできたのは歴戦の勇者らしく激しい抵抗を見せた。がしかし最後は敢え無く捕獲ネットへドスン。黄色い迷彩を施した気の強そうな女兵士だった。よし、こいつに仲間の隠れ場所を吐かせてやる!
 上流の瀬へ。大石影に隠れていないか一つ一つ調べて行く。すると後方からの鋭い視線を感じた。敵兵か?振り返ると見なれたD-5型装甲車から偵察する飯抜軍COE総司令官だった。先週、中央エリア曽代でなかなかの功績を上げたと聞いていたが、ここまで進軍してきたのか。どうやら戦地がリセットされ、敵の様子が掴めない状況で各兵をあちこちに配し、情報収集中か?なにやらUME特攻隊員とも情報交換をしていたようだ。
 さてこちらは確保した捕虜が次々と仲間の居場所を吐くのでは?と期待したものの、こっそり隠れていた子供を1匹確保できたのみ。水の冷たさ、それに腹も減り戻ろうかとベースキャンプに目をやるが、まだ誰も戻っておらず、関西激流軍マーシー総隊長だけが鋭い眼光を光らせ周辺を威嚇しながらどっしりと構え、隊員の果報を待っていた。しかし中々成果が上がらないことは遠目にも感じていた様子。
 意を決して恐る恐る戻る。隊長の足元にはすでに戦利品なのか世界各国のアルコール飲料空瓶が沢山転がっている。よほどこの状況に納得がいかないのか。顔の紅潮も怒りを予見させるには十分だった。これは前の激流を渡って敵地へ攻め入れ!と言われるのか!怖々戦果3匹を進言するとこれでも良い方らしく、食事の配給を得ることができた。


 続々とベースへ戻る隊員に笑顔はない。予想はしていたがここまで厳しいとは。疲労の中にも、戦いたくも戦地に赴けない全国の同胞たちのことを思えば、こうして戦地に立てているだけでも喜びを感じ、午後の鋭気にしようとする気概が見え隠れしていた。この厳しい中でも4匹確保してきたのはやはり鮎心軍狙撃手、人呼んで「ゴルゴ斉藤」。狙った獲物は外さない。流石に全国最強の呼び声高いグリーンベレーyou鮎youにも所属するだけのことはあるツワモノだ。


 休憩中も幹部は午後の作戦会議を行っている。迂回ルートで常に激しい戦地となっている漁協前エリアへ偵察に行っていた鮎心軍榎本最高司令官が、敵兵の姿が幾度となく目撃された、と有力な情報を掴んできていた。ギラリと光るマーシー総隊長の眼光!言わずもがな黙って頷く人間魚雷ハル高級参謀。作戦は決まったようだ。先陣を切って二人が迂回ルートを使い敵地に攻め入って行った。少し遅れて体制を整えた鮎心軍は榎本最高司令官、和人少将、人間爆弾deibuとで後を追う。ゴルゴ斉藤狙撃手は敢えて足場の悪い中州エリアから油断した敵兵を1匹づつ仕留めて行きながら最後は挟み撃ちにする作戦に出た。


 降り立った漁協前エリアは、まだ高い水量が攻め手を阻んでいた。しかし関西激流軍の勇士二人は既に腰まで立ちこみ、敵の巣窟をせん滅しようかという勢いだ!それに触発されて和人少将も激流に突っ込んでいく!まだ誰も攻めていないエリアか!最初の攻撃で早くも1匹目を確保する雄姿が戦地の中で輝いていた。この時点で人間魚雷ハル高級参謀も速攻で良型2匹を仕留めていたのだ。
 これで午前の戦果と合わせて3匹と並ばれた。ここで関西激流軍マーシー総隊長に活躍を見せておけば、deibuも関西激流軍高級参謀の椅子も夢ではない。その椅子を掛けて人間魚雷ハルVS人間爆弾deibu2時間勝負だ!対戦場の対岸やや上方ではゴルゴ斉藤狙撃手が確実にヒットさせている。流石の手練だ。


 deibuが上手で開始。すると速攻で人間魚雷が掛ける!良型なのか!見せつけるようになかなかとどめを刺さない!ズッドーン!良型だ。こっちをチラリとも見ないが少し肩が上がったのを見逃すはずはない。おそらくこの時振り向いていたならばこの世のものとは思えないオゾマシイ笑顔だったに違いない。するとまた掛けた!とっとと仕留めれば良いものをまた時間を掛けている。切れろ!外れろ!折れろ!の願い空しくズッドーン!デカイ!クッソー!焦るほどに手元がブレる。そのブレが功を奏したのか当方にも鋭い当たりが!瞬時に分かる強者の手ごたえ。下手に居る人間魚雷足元まで持っていく。さっきまでの分、十分に見せつけてからサクッと仕留めてやろう!案の定、見入っている。 頃は良し。ズッドーン!とロケット砲発射!しまった!ゆっくりと空を舞う色の変わったおとりが飛んでくるのと反比例して逃げて行く関西激流軍高級参謀の椅子。
 まあ仕方ない。今回はこれくらいにしておいてやろう。と大らかな気になってあげたのに、それを無視するように掛けた3匹目もゆっくりと時間を掛けて仕留める人間魚雷!大人げないヤツだ!まだ細くなるのか!と思うほどまぁるく目を細めて三重の本部へと帰還していった。戦地は日が陰ると一気に戦闘モードが冷える。結局午後は戦果を上げることなく終えることとなった。
 最高の戦果を上げたのはやはりゴルゴ斉藤狙撃手。この厳しい中10匹は流石と言わざるを得ない。


 さて途中合流の飯抜軍COE総司令官も引き入れ、食料を調達して野営地へ。洗汗大和へ乗り込む。各地で戦ってきた大砲、小砲、機関銃、手入れの行き届いた黒光りするマグナム、使い古した銘砲、火縄銃を皆が手入れしている。deibuもやや錆ついた小銃を手入れし明日へ備えた。綺麗な星空を見ながら、宮川の開戦に始まり、連戦連敗の長良戦、朗報を幾度となく受けたが赴けなかった熊野の地、各地の猛者が集結した馬瀬での戦い、そして郡上頂上決戦、やや遅きに失した北陸神通での戦いを思い起こしていると知らず知らずのうちに深い眠りに落ちて行くのであった。


 明けて翌日、鮎心軍榎本最高司令官と和人少将は中央エリアへと戦地を移した。残された岐阜方面隊は飯抜軍COE総司令官の指揮の元「乙原」エリアへ進軍した。ここも先んじて飯抜軍COE総司令官が急襲作戦で好戦果を上げた場所だ。進入路が分かりにくく、敵が隠れるには絶好のところだが、戦地に到着するとそこには最後の戦果を求める兵たちがひしめいていた。
 やや手薄な下手へゴルゴ斉藤狙撃手と向うがレーダーに捕捉される生命反応なし。郡上エリアへ戻るか。中央エリアの和人少将に無線で確認を取ると到着するなり鮎心軍榎本最高司令官が6連発!和人少将も少なからず戦果を上げている模様。方向は決まった。歴戦の勇者が好む戦地、鮎の瀬へ。到着すると戦から上がってきた勇者たちは少なからず戦果を上げていた。戦果無しでは終われない。痛む腰をかばいながら戦地へ。
 おもりを付けてゆっくりゆっくり探り待ち。ビビビ!掛かった!飛んできたのは15cmほどの小型。それも背骨曲がり。結局これだけ。ここでもゴルゴ斉藤狙撃手は9匹を確保していた。ほとんどが遡上物と思われる。2日間で4匹の戦果。これでは終戦に出来ない!さてどこで終われるのか。迷走は続く。
 
最初に探索を行ったエリア。如何にも敵が好みそうな感じである。 残り垢はあるが、増水前に垢くされ気味だった所は残っていても駄目っぽかった。
ブッシュの間に隠れていないかも探索したが姿を現さなかった。別の部隊が1匹捕獲するのを見た。 このエリアにも大きな石が点在し、残り垢があるが、盛期でも際立った成果が出ていなかったようで小型1匹のみだった。
和人少将が良型を捕獲した場所。ここで1匹目を何とか捕獲。 ここの流芯に敵は潜んでいた。
戦地でもカワセミが隊員のすさんだ心を癒してくれる。 人間魚雷の活躍。これで長い来春までの休戦も穏やかに過ごせるだろう。
良型と格闘する人間魚雷ハル隊員。下方では関西激流軍マーシー総隊長の鋭い眼光が!「一歩も下がるなっ!いつも言ってるやろ!」と檄が長良川に響く! 果敢に立ちこみ更場攻略を狙うゴルゴ斉藤名手でも仕留められなかった乙原の瀬肩。
聖地鮎の瀬。敵はこの荒天続きで体力を奪われているようで、隠れながら体力回復をしているようだ。回復さえすればまだまだ攻撃の手を緩める気配はない。 鮎の瀬瀬肩付近には若い敵兵が居たようだ。

 長良川郡上〜中央 9月24日、25日

ポイント(Googlemapにリンク) 釣 果 竿 天井糸 上付け糸 水中糸 下付け糸
吉田川合流点付近
乙原鮎の瀬
03匹
01匹
シマノバーサトルH2.75 9.0NB フロロ0.8−3.5m 無し 北越乱SP0.05-5m フロロ0.4-20cm
鼻管ハリス 手 尻 針ハリス 逆さ針 鼻 管 その他
フロロ1.0-25cm 20cm 一角7.0-4本
タフ7.0-4本
フロロ1.2 オーナー白一体2号 オーナー7mm 小澤式背針