予選リーグ当日は5:20に審判の方たちがエリア送迎車で迎えに来てくれます。着替えを済ませて道具も積み込み本部へ。本部でおにぎり弁当と温かいお味噌汁を頂きました。大会中は大塚製薬さんのAminoValueが飲み放題!燃焼しまくりです。朝食も終わり戦闘服になった選手が揃うと周りの空気もピンと張り、いよいよ緊張感が出てきました!


 6:30からおとり配布。遠いエリアの選手から各自で選んだ2匹のおとりを自分の友缶に入れて出発です。おとりの管理にも凄く気を遣っていて、タライへの注水、追加のおとりもどんどん入れてくれます。deibuの選び方は、底を這っている、ぷっくらしている、大き目、メス、ヌメリの条件を満たすものを選びました。


 第1試合7:00~9:00 対戦相手 Bブロック1位山本さん【④エリア 奥美濃大橋下流端~郡上生コン下小堰堤まで】
 誰もが勝ちたい1試合目。増水後の引き水で水温は低い。垢の状態もはっきりしません。一番難しい試合です。この場所もちろん初めて入る場所。ここは専用区です。左岸でおとりを引き船に移し、センターに移動。ここは右岸が本線ですが左岸に細い分流があります。昨日見たときには分流にたくさんの鮎が見えました。じゃんけんに負けて下流からのスタートです。(勝った方が上流スタート)どうやって攻めるか。仕掛けのセットはOKですが、ポイントへの移動は開始後です。


 7時開始。センター付近は橋からの瀬が開けて棚になり、右岸寄りに流れて瀬になるところ。石の間に砂があるのが気になりましたが、垢は飛んでおらず石色もよく見えました。石を見ると20~30cmほどの増水のようです。増水前の川の様子を想像して、その時に生きた流れだったと思われるところを探ろうと決めました。水深がある2番流れの筋へおとりを入れてテンションゼロを演出できる場所を探ります。養殖おとりでも複雑な長良の流れでは速い流れの中でも留まるところがいくらでもあります。そこで反応を観る。あるので少し待つ。イメージ通り掛かりました。しかしこれをバラシ。いきなりです。でも反応があること、朝一でも追いがあることが分かって攻めに転じる判断ができました。
 どんどんポイントにおとりを入れて探っていくと思うポイントの半分ほどで掛かります。黄色い鮎ばかり。やはり引き水で最高の条件のようです。飛びつき鮎を狙って多くのポイントを攻める。前半7尾、1時間で上下エリア交代。
 後半は橋下の瀬肩から瀬を攻めてみる。すぐに掛かるが3回バラシ。ここは鮎が大きい。1匹だけ取れたものの追加できずジリジリとした時間が過ぎる。センター近くまで下り残り10分を切って1匹追加。込みの11匹で1試合目を終える。
 本部へ戻って検量。山本さん9匹で勝利!相手のことを全然気にせず自分の釣りに集中できたし、イメージ通りの釣りができて良かった。しかしバラシは問題だ。


 第2試合10:15~12:15 対戦相手 Aブロック3位小池さん【⑤エリア 郡上生コン下小堰堤下~中川原橋下堰堤まで】
 ここは専用区外。第1試合で佐々木さんが込み6、坊屋鋪さんが2と一番掛からなかったエリア。上流堰堤から一番右岸側が細いですが本線、左岸は大きく開けた流れで更に2つに分かれて橋下堰堤のトロへと流れ込む構成。トロには鮎がたくさん見えたところです。じゃんけんはまた負けて下流側から。1試合目で川と鮎の状態は分かりました。鮎の密度はまあまあ有る。黄色い鮎が掛かるが同じ所で何匹も掛かるほどは居ない。垢は十分。追いもキツイ。狙いは瀬に絞ります。速いテンポで黄色い鮎を探す。


 分流とブッシュを越えて右岸の流れに到達。ほぼ1本瀬。センター上は少しブレーキが掛かっているところが見えますが、センター下は荒い流れです。根掛かり即アウト。縦波へ入れて探ると早々に掛かった!ここでも瀬の中で掛かりますが流れも速く石も大きいのでなかなか付いて下がれません。でバレます。瀬の開きも探りましたがおとりが落ち着かない。掛かる感じがしませんでした。前半2匹のみ。
 後半は良さそうに見えたセンターより上の瀬を狙おう。しかし下流からほぼ上流端まで戻るのが大変。ブッシュの中は歩けず、分流を遡って行くしかありません。高低差もあって石も大きく水量も結構あったのでヘロヘロ。たまらず途中で休憩。浅い流れで少し竿を入れてみました。しかしこれではイカンとすぐに反省。狙いの瀬へ。
 良い流れです。右岸側は沈床ブロックが並んでいて間に石があります。手前が本筋。沈床の石が良く見えたのでそこへ。掛かりました!居ます。下りながら探り、掛けたりバラシたり。流れは強く鮎も大きい。おとりが落ち着くスポットは小さいですが、留まれば反応がすぐに出る。フワフワっとした気配、追われ感、そして針掛かり、一瞬間をおいてからの強烈な抵抗、シーズン中でも何度も経験できない面白い釣りです。この瀬はほとんど竿が入っていない感じを受けました。と言っても取り込めたのは3匹だけ。込みの7と沈没か。本部へ戻って検量です。


 マスターズでは検量も一つのショーです。壇上で数えるのは小寺名人、インタビュアーは白滝名人、それを覗き込む村田名人、大きな声で数えられます。検量の結果、小池さんも苦戦されていて込みの6、なんと2勝目です!準決勝の目が少し見えてきました。他選手はどうだったのかが気になるところ。
 第2試合を終えて山本さん、金沢さん1勝1敗、小池さん2敗、deibuが2勝で小池さんの勝ち上がりはここで無くなりました。第3試合は金沢さんと。勝つか分ければ勝ち上がり、負ければ総釣果で金沢さんに負けます。また、金沢さんがdeibuに勝ち、金沢さん以上の釣果で山本さんが勝てば3すくみ、総釣果で山本さんが勝ち上がりになります。気を抜けない第3試合になります。後々の反省になりますがここで自分との戦いではなく、対戦相手のことを少し意識し初めていました。


 第3試合14:00~16:00 対戦相手 シード金沢さん【③エリア 白鳥橋下流端~奥美濃大橋上流端まで】
 お昼は地元餃子飯店さんのおいしい中華弁当です。しっかり食べて第3試合へ。天気も良くなり水位もどんどん下がってきました。
2試合終えて気がついたのは上流スタートの方が良い!ということ。上流スタートならエリア上限まで行ってセンターまで下がりながら釣ればエリア交代時に下流側ですぐに開始できる。移動による時間のロスを最小限にできる。deibuはあまり関係ないですが、相手選手の動向が掴みやすいといったメリットがあります。下流スタートだとエリア交代時が大変。下限から上限まで移動する羽目になることもあります。釣り上がれる河川なら良いですけどね。


 さて第③エリアはめだか釣り具さんの裏です。毎日川の状況をWEBにアップしてくれているその場所です。おとりを缶から移し、センターへ。ここでトラブル発生!なんと今まで切れたことのない引き舟のロープがブチンと切れて落下、おとりは無事でしたがこれはイカン!予備はホテル。オロオロしていると審判の方が応急措置のアドバイスをしてくれてなんとか使えます。しかし切れたのが試合中、しかも川の中だったらと思うと開始前のタイミングで切れてくれたのはラッキーだったのかも。
 さてじゃんけんで勝たねば。でもやっぱり負け。下流エリアは一般の方が多く堰堤上の開き~トロは入れません。瀬にも一人。瀬尻では中高生が川へボンボン石を投げています!センターからの深瀬、瀬が狙いの場所です。さあ、運命の第3試合開始です。


 センターに入り川を観ます。この付近は水深もあり良い感じ。深瀬をまず探ります。表層の流れは速いものの、底へ入ると広い掘れがあります。気配濃厚!掛かった!勝利への1匹目だ!慎重に取らねば!右岸に寄せて少し下がらねば!おっとけっ躓いた!その瞬間バレ。あと5cm足が上がっていれば。。。これが運命の分かれ道。勝負のあや。実力。体力の限界。全てを暗示していたかのようです。
 掘れが広いこと、反応が良かったことでもう一度そこへ。しかし一度引っ張られたおとりが落ち着かない。2匹目を使おうか迷いましたが、徐々に流されるおとりに付いて次に留まるところを探して行きました。瀬落ちでは掛からず。瀬にいた釣り人が居なくなっています。そこへ。水位が下がり結構奥まで行けそう。ここはまだ竿が入っていないかも。入れるとビューんっと掛かった。細かく探って5匹。
 このエリアでは応援の方も沢山居てくださり、掛かると拍手で盛り上げてくれます。これが効くんです。アドレナリンが沸々と出てくる感じ。金沢さんの応援団もいて比較的近くで釣っていたので拍手でリードしているのが分かってしまいます。第2試合までは一切分からなかった。これが油断となります。1分ほど残してセンターへ来てしまうとそこで金沢さんが2匹目を掛けました。金沢さんはこのピンピンおとりを持って後半戦へ。


 センター上を探ろうか見てみますがイマイチピンと来ない。その上はちょっと差せない感じの荒瀬。その上は石の大きな瀬です。とりあえず上流限まで行って釣り下がる作戦。途中までは河原を行けましたがそこからはブッシュと押しのある川を進んで白鳥橋下流10m程の所から見てみます。ここは川幅いっぱい流れがあり平均浅い。青藻が付いていてあまり良い感じではない。どちらかというと自分が立っている右岸ヘチは良い色。これはイカン。
 徐々に下がって行くと左岸寄りに流れが集まって行きます。その辺りから石色が良くなっている。そこへ入れると案の定追いがあった。良型でまっ黄色。これは掛かる。思い通りに掛かる。少し立ちこんで午前中は差しにくかったであろう流れに入れると一発!良型だ!しかし足腰がふらつき2匹の鮎が廻りながら飛んできた!掛かり鮎は受けたもののおとりがタモの外。鼻管仕掛け糸が切れてしまいました。これを交換するのに手間取る。初めてのベストで鼻管仕掛けが出てこない。仕方なく全部張替。
 そうこうしているうち、変な体制で立ちこんだままだったので足が攣ってきた。やっと交換して送り出す。しかし足が他人の足みたい。竿がぶれて根掛かり。外れはしたもののこの状態で釣っていてはまた詰まらせる可能性が大きい。残り時間は20分もある。後半も5匹取りこんでいた。込み12匹になっている。「リードしているはずだ」と考えてしまった。この時点で自分に負けてしまいました。5m下がってやる気のない釣りになってしまった。そのまま立ちこんで攻め続けられれば。
 6月18日、ここ長良川から始まったここまでの苦労を全て無駄にした最後の20分。金沢さんはその頃怒涛の入れかかり。後半9匹釣って込み13、あと1匹取っていれば引き分けだった。この瞬間準決勝進出の夢は破れてしまいました。  


 完全に自分に負けた。大いなる虚脱感。本部へ戻る車中。金沢さんも抜け殻のようになっています。勝ち上がれたのかは山本さんの結果次第。本部へ戻って先に検量を済ませた山本さん。13匹釣って勝ち、3すくみになり、予選リーグ総釣果1匹差で金沢さんに勝ち、準決勝進出です。金沢さんも3試合目後半入れ掛かり中にドンブリを喫しています。この1匹に泣いた。deibuも1匹に泣いた。最後まで自分のペースをキープした山本さんが結局残った。自分に勝ったということですね。貴重な経験をさせていただきました。


≪中夜祭≫
2日目の夜は中夜祭です。メインは準決勝の組み合わせ抽選会。前夜祭とは違ったごちそうで、落っこちた12名は焼け酒モードです。(アジメドジョウのから揚げ旨かった!)
 予選リーグの総評と準決勝進出者へのインタビューで村田節炸裂!皆さん可哀想なほど名人の唾を受けています。盛り上がったところで運命の綱引き。予選釣果の多い人から選びます。皆が選ぶと一斉に箱からロープを引き出します!小澤―山本、矢吹―有岡というカードになりました。
 さて明日は二日酔い組でのシード権争奪バトルが待っています。2時間だけでエリア交代もないのが気楽です。しかし降り出した雨がちょっ
と心配。
 
東北、関東軍団と上田さん。若い方が多いなぁ。 今大会の最年長63歳、矢吹さんと最も若い26歳、岡林さん。どちらも凄いですね。矢吹さん、怖い顔していますがめちゃくちゃ優しい方です。
金沢さんがスマートに見えますね。小澤さんは気力十分。精神的にもピークに持ってきている感じでしたね。負けるイメージを一切持っていない。 さあ、いよいよです。やっと緊張感が出てきた?
ブロック抽選で自動的にエリアも決まります。
第1試合が④、第2試合が⑤(右画像)、第3試合が③になります。
第2試合開始前にはそのエリアの第1試合がどうだったのかが気になりますね。
緊張の瞬間。泣いても笑っても2時間、何を考えていたのか。
この時は、瀬の中に以外に砂が多く見えてちょっと心配していた。
審判は選手一人に各一人付いていただけます。時系列で釣果を記録。
見た目にキツイ瀬でも石の大きな長良川は留まるところが沢山ある。そこを潰していけば効率的に探れます。 第1試合前半。山本さんは分流から開始したんですね。
手探りで第1試合開始。早い時間で攻め方を決められた。これも野鮎の情報を得られる釣り方だからこそだ。 第1試合、後半も瀬を攻め続けた。縦波を攻略する。
第1試合の検量。なんとか勝てて安どの笑顔。 第2試合対戦相手の小池さん。後半入った所は上から見ると鮎が沢山見えたそうです。
第2試合検量。実は数えるまで6匹で引き分けたと思っていました。バラシが多かったので良く分からなかったけど7匹いた!2勝目! さていよいよ決戦だ。どうやって攻めるか。
③エリアの審判は小林さんと瀬口さん。二人とも怖い顔していますが、
本当は・・・怖いんですよ!
開始時、エリアに石投げてた中学生がすぐに消えました!
おりゃ~!エエ感じや~!
こうやって見ると明らか腹が邪魔してますな。
自分の中では理想的に掛かっていた。 もんど塾メンバーにも応援をもらったのに。すみません。めちゃ勇気づけられましたよ!ありがとう!
このときは攻め方に問題はなかったと考えていましたが、今思うともう少し待ちを入れても掛かったのではないか。少しテンポが速すぎたかと反省。 榎本さんやクラブの仲間も応援してくれたんですが・・・
第3試合前半は集中力もピークでした。 ここまで来れたのも斉藤さんのおかげです。近くに居てもらうだけで心強い!
後半開始。センター旗の上を見てみましたが、どうもピンとこない。上に行きました。これは間違いではなかった。 第3試合後半も良い感じでスタートできましたが。
これは第3試合終盤です。少し前まではあと5mほど前に立ちこんでいました。しかし足が攣りそうになり、リードしているかと思ったこともありここまで下がってしまいました。立ちこんでいた先には鮎の気配濃厚でした。 第3試合の検量。この時点で負けは分かっていました。気が抜けた笑顔ですな。
6時間、自分の釣りを全うした選手が勝つ。しかし見るたびに悔しい!
自分に腹が立つ!
中夜祭、こっちのテーブルはなぜか全員バトル組になってしまいました!
明日を気にせず飲むぞ~!佐々木さんは開始時点でエンジン掛かっていました。
頂点とるのもそのうちでしょうね。イキイキしている有岡さん。 運命の赤い糸は誰と?
準決勝進出の4名。次の目標はここ。その前に厚い壁が! 毎日最低1回は村田節炸裂です。凄いパワーだ!

 ダイワ鮎マスターズ全国大会参戦記 8月27日 予選リーグ

ポイント(Googlemapにリンク) 釣 果 竿 天井糸 上付け糸 水中糸 下付け糸
第1試合 ④エリア
第2試合 ⑤エリア
第3試合 ③エリア
09匹
05匹
10匹
シマノバーサトルH2.75 9.0NB フロロ0.8-4.0m 無し 北越乱SP0.05-5m フロロ0.4-20cm
鼻管ハリス 手 尻 針ハリス 逆さ針 鼻 管 その他
フロロ1.0-25cm 20cm オーナータフ7.0、7.5-4本 フロロ1.2 オーナー白一体2号 オーナー7mm 小澤式背針