2009回顧録と2010シーズンの抱負

ポイント 釣 果 竿 天井糸 上付け糸 水中糸 下付け糸
鼻管ハリス 手 尻 針ハリス 逆さ針 鼻 管 その他

 2009年を振り返ってみると・・・シーズン初期に課題とした「おとりに刺激を与え続ける釣り」をある程度実行、実証できたと思います。この考え方は沢山の名人の釣り方や考え方を見たり聞いたりしているとある共通点が見えてきたからです。引き釣り、泳がせ釣り、ソリッド、おもり、背針、方法は色々ありますが目指す所はおとりに「刺激」を与えて動かすことではないだろうか。その実効性を感じた釣行をいくつかピックアップしてみます。


 まだ
5月の根尾川。細糸+ソリッドで瀬を中心に攻めていましたがパッとしていませんでした。しかしK名人は深瀬で良型を掛けています。おもりできっちり沈めているようです。おもりはどちらかと言うと苦手であまり使用しませんが真似てやってみます。ソリッドに1号おもりだと絶妙なバランスでおとりを安定させることができました。おもりに集中するとおとりは常に刺激を受けて動いている感じで、初めておもりの効果が少し分かった気がしました。


 次は
6月の板取川。ジャパンカップ予選の下見と大会です。良いサイズは少なく狙うのは小型中心。ソリッドとメタル細糸0.03で攻めたのですが、ソリッドをオートマとして使用するのではなく、より繊細なテンションを掛けるのに利用する道具として使うことを知りました。やや上方テンションで穂先を曲げない程度のテンションで刺激を与え続けると追わなかった鮎も追い出し、掛けることができました。
 揖保川で島名人の釣りを近くで見ましたが、かなりの瀬でもほとんど穂先を曲げていませんでした。ソリッドでぐいぐい引いているイメージがありましたが、やはりソリッドでも曲げずにおとりが付いてくる状態がベストです。その絶妙なテンションがおとりを動かすようです。


 次は
7月初旬の根尾川。大会の下見と大会時の感触です。まだ盛期手前でやや高水。どこでも掛かる状態ではなく条件の良いポイントに鮎は付いていて、そこをピンポイントで狙う必要がありました。このときは常時ウレタンゴム付きV型背針を使用。狙うポイント(流芯の縦波を狙った)にやや強引に引きいれて止まる場所を探し、背針のゴムが伸縮する程度でテンションを掛けることができると好反応を得ることが出来ました。
 同じ根尾川で盛期にはこんなこともありました。いつもの谷汲山大橋下流部、駐車スペース前の人気ポイント。皆さん泳がせで狙っています。自分はメタルの
0.02で吊り下げて攻めました。野鮎の反応がビンビンくるので、その時はおとりを止めてその場で小さなテンションを掛け続けるイメージです。おとりを良く観察すると、まったくテンションが掛かっていない(刺激0)時はヒレが寝ています。しかしほんの少しでも鼻管を引くとピッとヒレが立ちます。弱っていても条件反射で動きます。鼻管を引いて鼻が持ち上がらず、鼻管が立つ程度のテンションを与え続けることができればベストです。これが決まるとおとりまかせの泳がせよりグンと反応が良くなります。泳がせの名手はこのテンションを糸ふけや糸の抵抗でやっています。この方がより高度で難しいと感じます。実際同じポイントで廻りより良く掛ける釣り人の釣りを観察しましたが、目印の位置が水深と同じで手尻もありません。ツンツンの状態で吊り下げるような釣り方をしていました。これも結局おとりに常に刺激を与える結果となっていたのでは、と考えました。


 このように時期、河川の状態、ポイントなどによってアプローチは多種多様ですが、共通しているのは「刺激」=「テンション」です。刺激を受けたおとりはヒレをピッと立てたり寝かせたりを繰り返します。これには野鮎も堪りません。こう考えればどんな場面でも柔軟に対応でき、苦手が少なくなるような気がしました。


 他にはおもりの使い方をもっと習得すること。
09シーズンはソリッド+おもりでやっとおもりの効果を感じ始めることができました。状況に合ったおもりをうまく選択できると随分攻めの幅が広がるように感じます。石が揃っているような流れではおもりが効果的。石が大きく、縦波を狙うようなときは背針とうまく使い分けられるようになりたいと思います。
 あとは針。
094本と3本錨を半々くらいで使用しました。追いがきつい時は3本の方が良い結果を得られたように思うので、使い分けの根拠をより明確になるよう考えてみたいと思います。


 さて2009シーズンは大会で良い成績を残すことができました。一方で予選敗退もありました。何が良くて何がダメだったのかを振り返ってみます。
 良かった大会はシマノジャパンカップの板取川予選と根尾川大会。この
2大会とも共通していたのは下見での感触です。板取では1週間前と前日、根尾は前日に下見を行いました。具体的なポイントを探すのはもちろんですが、どのようなポイントが良いのか。時間帯でどう変わるのか。どう反応するのかを知ることが出来ました。両大会ともぎりぎり通過予選後の決勝では初めてのポイントで勝つことができたのです。下見時に感じた時間での鮎の活性変化、ポイントの変化を感じることが出来てうまく釣ることが出来ました。


 それに反してダイワの郡上予選。下見で掛かるパターンを掴むことができませんでした。なので予選でもポイントに拘ってしまい、移動が遅くなって惨敗です。シマノのセミファイナルでは実力不足はもちろんですが、ここでも下見でパターンを掴み切れませんでした。当日は下見がかえって仇となり動けず失敗。うまく立ち回っても全国へは実力不足で程遠いと感じましたが、失敗した感じが強く杭が残った大会です。


 バリバスの大内山大会は予選、決勝とも自分では納得できる釣果でしたが全国は程遠い。この川のくせを知らないと勝てません。大内山大会はこれにて終了にしようと思います。今シーズンの大会では、下見で@どんな条件のポイントで掛かるのかAどのような掛かり方をするのかB時間によってどう変化するのか、の
3点を探り、それを大会に活かせるようにしたいと思います。


 他に印象に残ったのは始めて行った大井川。天然遡上河川の楽しさと難しさを知りました。終盤には本来の熊野川を初めて知ることができました。本来と言うのは、型は小さいものの鮎が非常に多い熊野川です。これが熊野川の実力か!とびっくりしました。


 さて2010年はどんな年になるでしょうか。従事する建設業は昨年より更に厳しくなりそうです。仕事あっての釣りなのでそちらをしっかりやって、川へ行ける環境を確保したいです。釣りの方はより「動かせ」釣りを進化させ安定感をUPしたいと思います。大会も昨年に引き続きシマノとダイワは挑戦します。根尾川大会ももちろん。より高度に戦えるようになりたいと思います。