注意事項
 ここに紹介する情報等は個人の見解で作成しています。河川への進入路や河川敷などは私有地であるなど権利関係がある場合も考えられます。その他、河川の状態は常に変化します。この情報を参考にされる場合でもご利用になる方の責任において行動してください。この情報を元にした事故や損害等、如何なる被害にも当方は責任を負えませんのでご了承ください。

 北山川は大台ケ原を源とし上流部にはバス釣りで有名な池原貯水池、大又川が流れ込む七色ダム、最下流に小森ダムがあります。鮎釣りは七色ダムと小森ダムの間でも放流魚メインにできるらしいですがまだ行ったことがありません。また、小森ダムから玉置口の間(瀞峡)も瀬渡し舟で行くような所なので一般的な釣り人が行く範囲をここでは紹介します。

 北山川は途中の「宮井」で奈良県の天川村を源とする十津川と合流し、そこから河口までが熊野川となります。なんでも名称が熊野川となったのは1998年と比較的新しく、地元の方々のなかには「新宮川」と言ったり、宮井大橋から上流の十津川を「本流」と言ったりする方も居てややこしいです。何が正しいのか分からないのでここでは便宜上宮井大橋合流点から上をそれぞれ北山川、十津川と呼び、合流点から下は熊野川本流と呼んでいますのでご了承ください。
 十津川も上流に大きなダムがあります。風屋ダム二津野ダムです。また宮井大橋から少し上流に十津川第二発電所の放水口があり、二津野ダムからの発電放水をしています。

【管理する漁協】
 ここは漁協も他の河川と少し違います。奈良県境から下流の十津川、七色ダムから下流の北山川、合流点以降の熊野川、そこへ流れ込む支流と管轄するエリアは広大です。その広大なエリアの漁業権を2つに分けて管轄しています。
 一つは今回マップで案内をしている「和内共第1号区域」です。ここには熊野川本流(河口〜宮井大橋まで)及び北山川本流が含まれます。
 もう一つは「和内共第34、35、36号区域」です。ここには熊野川本流に流れ込む支流高田川支流赤木川、宮井大橋から奈良県境までの十津川。そこへ流れ込む支流の四村川大塔川三越川篠尾川他が含まれます。
 遊漁券もこの2つに分かれています。「和内共第1号区域」は日券2,000円、年券5,000円、「和内共第34、35、36号区域」は日券3,150円、年券10,500円です。北山川系の年券5,000円はすごくお得感がありますね。この年券二枚を持っていれば飽きることなく遊べそうです。

【川 相】
 北山川の玉置口から十津川合流点までは渓谷相(と言っても河原は広い)で大きなトロと瀬が交互にある感じです。遠目に見ると変化が少なく見えますが、実際川に立つと無限の変化があります。瀬には大きな石も結構あります。場所によっては人工物がなにも見えない場所もあって非常に雄大で癒されます。この渓谷を巧みに、かつ豪快に通過するジェット船は見ていても爽快で、鮎釣りをしていても鬱陶しく感じないのが不思議です。川はゆっくり流れているように見えてかなり押しが強いです。底もフラットなので河底から表面まで同じ圧力で流れています。

 宮井大橋近くになるとぐっと開けてくる感じがします。特に合流点から下流域は水面の面積も更に大きくなり、豪快な釣り場となります。水量も多く大河を五感で感じながら釣ることができます。北山川も熊野川も圧倒的な大自然の中で鮎と対峙することができる素晴らしい大河です。これに対し十津川は放水口から上流部は女性的な流れでゆったりと静かに楽しむことができる川相です。各支流はそれぞれに個性があって自分に合った場所を探すのも面白そうです。

【その他】
 北山川熊野川はダムの放水で水位が変化します。大雨での放水は他の河川と同様です。但し一度ガバッと放水すると回復にずいぶん時間が掛かります。また川相も大きく変わる場合があります。他河川と違うのは大雨以外の放水です。

 一つは北山川の最下流部にある小森ダムです。この下流域で夏場(鮎シーズンとほぼ重なる。)「北山川観光筏下り」をやっています。その為に「観光維持放水」を朝の10時から20t行っています。場所によって増える時間、水位は当然違いますが、例えば宮井合流点上の「小舟」辺りではお昼頃20〜30cm増えます。増えた水位は夜戻ります。そうなると午前中は川通しできたのに帰れない場合があります。また泊りで釣る場合、漬けておいたオトリ缶が朝干上がっている、といったことが起こります。増えること、減ることを前提にした行動が必要です。

 そしてもう一つダム放水があります。十津川の発電放水です。これは電気の需要によって発電量=放水量を変えます。例えば土日は放水無しの時もありますし、40t程度だけ放水する時もあります。平日はほぼ放水があるのでこちらも熊野川本流ではお昼頃にその影響が出てきます。
 熊野川本流では小森ダムと発電放水の2つが影響してきますのでより注意が必要です。そしてこの放水はアナウンスがありません。(土日に放水する場合は川まで注意しに来てくれる時もあります。)発電放水の予定は電源開発のテレホンサービスで確認できます。(小森ダムの観光放水は放水のうちに入らないのか「ダム放水をしていません」と言います。)よって十津川の発電放水口から上流は大雨での放水がない限り濁りもなく水位も安定しています。

 さらにもう一つ熊野川ならではの注意点。ジェット船の通過です。オトリ缶や休憩時の引船の管理には十分注意が必要です。通過時の波はハンパありません。やり過ぎ?と思えるくらいにしっかり固定しておくのが基本です。

 ダムの放水は鮎の活性にも大きく影響します。水位、水温、濁り具合が時間によって変わるのでその変化を楽しむのも熊野川ならでは。水位が増えて竿が差せない場所は昨日の午後から竿が入っていない場所と言えます。午前中はそういった場所を探るのも一つです。
 また濁りがないときの北山川熊野川は本当に綺麗です。浅く見えても簡単に水没する深さがありますので十分注意して安全な釣行をして下さい。河原でスタックしている車も良く見ます。無理をしないのはもちろんですが、私の場合、牽引ロープスコップを積んで万一に備えています。
 その他、カラスや猿が弁当を狙っていますので要注意!それに晴れている日は午後になると強烈な海風が川を駆け上がってきます。夕方4時頃まで悩まされる時も多いです。

河原を走行する場合:大きい石(漬物石程度)や小さい石、砂利混じりの場所は比較的締まっています。対して、大きさが小砂利から小石(子供の握りこぶし程度)までで揃っているような所は、走行の跡が有ってもスタックしやすいです。またそのような場所で水が浮いていると簡単に緩むので危険です。走行のコツは「途中で止まらない!」ことです。アブナイところは勢い良く走り抜ける!基本は無理をしないことですが。

ダム放水の案内(北山川系・十津川系) 0120-302-425
発電放水の案内(津野ダム) 0120-201-914