昨年に引き続き残念ながらシマノジャパンカップセミファイナルのお手伝いで参加です。昨年はインストラクター戦のお手伝いでしたが今年は一般選手戦のお手伝いです。シビアなこのエリアを名手たちがどう攻めたのか。deibuの見た感想を書いてみます。


 参加選手は32名。A、Bブロックに分かれるので16名での戦いになります。Aブロックは上限名皿部橋から本部前瀬落ちまでです。瀬落ちからのトロは禁止エリアでBブロックはトロ尻から栗巣川出会いまで。90分(時間内帰着)の試合を3試合、各試合のポイント合計で順位が決まります。マグレの勝利は有りません。3試合ともコンスタントに上位に入るのが不可欠。実力が試されます。deibuはAエリア担当です。
 水位は平水よりやや少ないか。試合前日は気温が低く低調だったとの話が聞かれました。1回戦は7時開始。エリア内に一般の方はほとんど居ないので入る場所は十分にあります。


 1回戦。一番人気は堰堤から右岸の筋か。初期は右岸側が不調でしたが梅雨明け後は掛かっています。堰堤下は左岸側が人気。本部前の瀬は3番人気か。開始早々あちこちで竿が曲がります。掛かる鮎は遠目でも大きい。右岸側最下流部に陣取った板取川予選優勝のTさんが開始30分ほどで5匹掛け、楽な戦いに。3名入った堰堤下は左岸側がポツリポツリ。本部前の瀬もポツポツです。堰堤から上は厳しい様子。この中でも今年調子の良いI井さんが丁寧な釣りで掛けていたのが印象的。選手には短い、見ている方は長い90分が終了。1回戦は堰堤下右岸の流れが良かったようです。ですが1回戦では左岸の瀬〜平瀬は誰も入っていません。持ち込まれる鮎は20cm以上も結構混じり、良い鮎です。Bブロックは深みを狙った選手が良い釣果を上げていました。


 検量が済むと時間を空けず2回戦のおとり配布です。メンバーが入れ替わります。短いインターバルの間に情報が飛び交います。喋りたくて仕方ありませんが、スタッフの時は無言!2回戦人気ポイントも堰堤下右岸側に。1回戦を見ていても鮎は居そうだったのである程度数が出るのでは?と感じましたが。1回戦誰も入っていなかった左岸側の瀬に2人。本部下の瀬も3名ほど。
 下限にはマスターズ予選優勝ポイントに再びK藤さん。1回戦は誰も竿を入れていません。鮎が居るのは分かっていてもおとりのアプローチ、渦巻く流れの中でのコントロール、掛かった時の竿さばき、どれも技術を要する難しいポイントなので他の選手は入りません。K藤さんの攻め方を見ていると狙い澄ましたポイントへ空中輸送、着水と同時に糸ふけを無くし、スッとおとりを流れに入れてその後は絶対にオバセを出していません。掛かったらすぐに浮かせて抜きます。鮎が大きく激流に吸い込まれる時は水が落ちる所を利用して抜く感じ。遊ばせると尖った岩盤の餌食となります。竿はバーサトルH2.6。8.5mでほとんど使用したそうです。お見事。
 そして堰堤下右岸の流れは?2回戦は不調です。代わりに左岸の流れがポツポツの掛かりです。堰堤下左岸もポツポツ。本部下の瀬もポツポツです。Aブロック2回戦はK藤さんトップ。1回戦竿を折るトラブルで出遅れた三重のM川さん堰堤下で着実に稼いでいました。


 2回戦を終えて昼食が配られます。その間に途中経過発表。1、2回戦で1位と2位を獲った浜松のTさんと白川予選優勝のY田さんが1位、2位。3回戦大きなミスが無ければかなり優位なポジションです。この試合方式だとこの時点で10位前後(状況により変化)なら逆転で全国切符獲得の可能性が有ります。


 さて泣いても笑っても最後の3回戦。暫定トップのTさんは堰堤下左岸へ。トップを獲らなくても良く、ボーズは避けたい。当然の選択です。暫定2位のY田さんは本部前左岸の流れを右岸側に立ち狙うようです。2回戦で掛かっていたのでここも良い選択と思いました。2回戦では左岸から攻めていたので立ち位置も良さそう。


 ホーンを合図に3回戦スタート。3回戦は皆さん1匹目に苦労していました。3回戦良かったのは本部下の瀬です。左岸からのお二人、上流側のNさんは流芯際を丁寧に攻めて良型を掛けています。2回戦竿が入っていない場所。下流側の選手が入った場所は1、2回戦竿が入っていません。小場所にも丹念に竿を入れていたのが印象的。バラシが有ったものの良く掛けていました。
 注目したのはY田さん。4回目の全国を狙う中部の実力者です。開始後見ているとおとりは良く泳いでいるように見えましたが掛からず。2回戦で掛けていた方はおとりを止めているように見えましたがY田さんは比較的おとりが動いていたように見えました。15分で見切って下の瀬へ移動。右岸側から瀬尻を攻めますが掛からず。残り1時間でK藤さん必殺のポイントへ。2回戦で掛かったことは十分承知。仕掛けをフロロから複合0.07に替えて開始。直に待望の1匹目。これで波に乗るかと思いきや2匹目で痛恨のドンブリ。遠目で見ていても悔しさが痛いほどわかりました。それでも集中力を切らさず仕切り直し。その後少し離れたので見ていませんでしたが、なんともう1回ドンブリを喫したそうです。やはり岩盤で擦れたのか。これで4回目の全国は遠のいたか。
 暫定1位のTさんも堰堤下で苦労の様子。こうなってくると大幅な順位の入れ替えが起きる可能性が出てきます。3回戦終了。


 まずはAブロック検量。トップは瀬を攻めたNさん。Y田さんは下手すればマイナスになるところを最後まで集中し込み3匹。BブロックではM川さんがトップ。流石です。この時点では誰が勝ち上がるのかすぐに分かりません。
 ドキドキの集計結果は、優勝浜松のTさん。1、2回戦のリードが効いてそのまま優勝。下見で水深のある流れが良いと判断し、トロを中心に泳がせで攻めたそうです。2位は3回戦では竿を折りながら短く詰めて釣果を伸ばした方。Tさんとは逆に好きな瀬に拘って着実に釣果を重ねて準優勝です。3位の方は常時おもりを付けて釣っていたのが印象的な方。本部前の平瀬でも1.5〜2号のおもりを使っているように見えました。ここぞと言うポイントで止めて掛ける釣り。
 そして全国最後の切符はY田さん。最後まで切れずに釣りきった1匹でもぎ取った4回目の全国切符です。5位は0.5ポイントの僅差でM川さん。竿折れのトラブルが悔やまれます。6位は安定していたI井さん。シブイ釣りが印象的でした。


 3試合を通じて感じたのは、やはり誰かが釣った後は釣れない。釣り返しが効くのは深い所と瀬でした。おとりを早く動かすよりはじっくり待つのが良かったようです。浅場でも掛かっていたので鮎は結構いるようです。じらしてじらして怒らせるか、よほど綺麗にピンポイントで泳がせるか。
 同時に行われたインストラクター戦は小沢、松田、宮井、森の4名手が勝ち上がり。インタビューを聞くと小沢さんは1匹目に苦労するもダブルチョウ針で劣勢を打破。松田さんは1、2回戦はフロロ0.25、3回戦は同0.175で攻めたそうです。Y田さんもフロロを使用したと言っていました。針は皆さんストレート系の6.5〜7号がメインのようでした。


 結局ザラ瀬、チャラ瀬、瀬、トロ、メタル、複合、フロロとポイント、攻め方色々です。皆さん自分の釣り方を信じて自分に勝つ。それが勝利に結びついていたように感じました。先週の馬瀬川下流決勝見学と今回、良い勉強になりました。さて週末は同じ場所でバリバスカップです。釣り方は止めて待つが良いのか。その翌日はマスターズブロック大会です。両大会とも自分の釣りに集中してまずは自分に勝つことを念頭に置いて挑みます。
 
これくらいの参加人数だとポイントには苦労しませんね。
鮎は見えますが厳しそうでした。
3回戦はあまりの暑さに堪らず水中からの試合監視です。
数々のドラマを生むウインドパーク前。毎日攻め立てられる鮎たちも溜まりませんねぇ。 見事全国切符を手にした4名の方々。おめでとうございます。
インストラクター戦を制したのは小沢選手。竿はバーサトルを使用していました。森選手、宮井選手は初の全国だそうです。 鮎大きかったです。

 長良川郡上 7月23日 シマノJCセミファイナル中日本大会観戦記

ポイント(Googlemapにリンク) 釣 果 竿 天井糸 上付け糸 水中糸 下付け糸
ウインドパーク前 -- -- -- -- -- --
鼻管ハリス 手 尻 針ハリス 逆さ針 鼻 管 その他
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