馬瀬の下見が終わり、漁協へ鮎を卸に行くとかなりの混雑。1時間半ほど掛かってしまいました。風呂へ入ってツワモノひしめくクラブハウス馬瀬川へ。到着した頃には皆さんもうすっかり出来上がり気味で、駆けつけ3杯頂き早めの就寝です。しかしここに集まっているメンバーの濃いこと。マスターズ全国経験者だけでも何人居るのでしょう?常にこの中で揉まれれば強くなるはずですね。


 さて明けて日曜日は初参加の第5回馬瀬川下流鮎釣り大会参戦です。勝手にメンタル師匠にしている大前名人を始め、地元の若い方が中心になって大会を運営されているんですね。漁協は協賛だそうです。で、集まってくるメンバーがほとんどトーナメンターばかり。それも中部の実力者が一堂に会する様相です。ここで勝つのはある意味メーカー予選よりも難しいのではないでしょうか。選手も大会慣れしているし、運営の方々も参加者として大会を知っているので、非常にスムーズに進行していきます。


 まず予選は4ブロックに分けて行われます。各ブロック25名強、deibuはD-19番。最下流エリアです。飛騨川合流点付近で、一部飛騨川もエリアになります。馬瀬川下流自体が初めてなのでもちろん予選エリアも初めてです。しかしこのDブロックは初めて使われるらしく、他の方々もほとんど初めて入るようでした。段取り良く進み、予選開始予定の8時より早くにおとりをもらってスタートです。11時までの長丁場。おとり配布場所が合流点から100mほど上で、大きなトロ尻です。上流には一旦道路へ上がって行く必要が有ります。数名行かれましたが川を知らないので見える範囲で入る場所を探します。下流側は国道の橋下までのザラ瀬、合流点付近は馬瀬川側がやや広い棚、左岸の飛騨川側はゆったりとした大きめ石の間を流れるやや緩やかな流れに見えます。それより下は右岸側がメインの瀬になっているようです。
 皆さんその周辺へ入られました。橋上ザラ瀬は瀬肩にK寺さんだけ。右岸へ廻り橋下流の棚中盤が空いていたのでそこへ行こうか迷いましたが、棚は左岸寄りに流れが有り、右岸からはどうも攻めにくそう。その左岸の一番良さそうなところにはN田さん。そこよりは空いている瀬でやってみることにします。水深が無いので鮎が溜まっているところが無さそうですが、上のトロには鮎がいっぱい見えていたので瀬にも入っているだろうと考えました。


 右岸へ立って見るとまたやってしまった朝日の逆光です。石色、水深が分かりません。左岸側へ渡るには目の前のポイントを潰してしまいます。やり難い中粘ってしまいました。瀬肩のK寺さん早速掛けています。下流側のN田さんは入れ掛かりです。様子を見に来た大前さんは「何やっとんだ!」と目力で圧力をかけてきます。たまらず左岸へ。
 日を背にすると明るい所と暗い所が分かります。明るい所へ。一発です。1時間近く無駄にしました。元気なおとりで少し暗い所も探ってみますが、反応なし。結局同じ所へ行って掛かります。どうもきっちり縄張りを持っているのではなく、小集団で食んでいるようです。こうなると1匹釣れたところで粘った方が良いのか。広いザラ瀬ですが明るい所が少ない。ボツボツしか掛かりませんでした。反応が有るのに掛からない時は、昨晩大前さんと鈴木ヒロさんが言っていた「おとりを頻繁に替える」を実践すると掛かったのが3回ありました。これだけでも大収穫。結局6匹掛けて終わり。このブロックが一番良く釣れてボーダーが込み11匹。話になりませんでした。
 トップはN田さん25匹、他ではダイワ大和予選優勝のK藤さん14匹、先日の根尾川優勝のIさんなど釣れる予選は実力者が勝ち上がりますね。


 さて決勝見学です。橋を挟んで上下に長い瀬が有り全体を見渡せる観戦にもってこいのところです。歴戦の選手たちがどう戦うのか。橋上から川を見ると鮎はかなり確認できます。分流的な2番流れにも沢山の鮎が。ここを探れば数匹は確実な感じ。誰かここにおとりを入れるか。一斉スタートで一番人気は橋下流です。橋上流のやや広がった瀬が徐々に絞り込まれて最後は白泡で落ち込んでいます。水深も有り、右岸側には袋も有って鮎が溜まっているようです。

 最初からスパートをかけたのはその瀬尻で白泡落ち込む小さな棚に入った鈴木ヒロ名人。自分で鼻が効くと言ってましたがまさにその通り。大きな岩が有って釣りにくそうな場所ですが入れ掛かりでそのまま前半で優勝を決めた感じでした。釣果はぶっちぎりの21匹。普通なら右岸から攻める感じのポイントに見えましたが、あえて左岸から釣ったのかは分かりませんが、マスターズ全国連続出場の実力は流石ですね。他を圧倒していました。
 準優勝は橋下瀬開きに入った方。名前を忘れましたが上位常連の方です。スロースタートでしたが、中盤流芯で1匹掛けるとなにか掴んだのか入れ掛かりで一気に抜けました。上から見ていても良い当たりばかりと掛けるたびに声援を受けて凄く楽しそうでした。
 3位はその方の下流に入った方。最初は本筋を攻めていましたが、根掛かり回収時に右岸側タルミに入れると入れ掛かりになりそのまま最後までそこで粘って3位です。結果として3位までが橋下流で、最初から大きな移動無く戦ったことになります。場所選びの重要性を認識です。
 他で気になった選手は、最近表彰台当たり前の丸佐おとりのS渡さん。少し遠くて分かりにくかったですが、おとり配布場所の上、大トロから長い瀬の始まり付近で大石の間の細い流れで開始。すぐに1匹目、周辺で粘って確実に掛けていました。この場所は日陰にもなっていてそれも計算済みだったのか?
 その近くにはK藤さん。同じような攻め口ですがより広く動いて同じ数を獲っていたと思います。お二人とも流れさえあれば確実にある程度の数を揃えてくる釣りは流石ですね。そして常に上位のK全さん。瀬の白泡で3匹獲り、その後動きながらポツポツと確実に拾い入賞です。小さなポイントを確実に探る技は見習うものが有ります。
 この大会優勝経験もある餌取さんもどこに入ったか分かりませんが着実に数を揃えてきて入賞、上位安定していますね。
 最後は昨年優勝の小寺名人。60代とは到底思えない軽快な動き。まず最初は道路を小走りに来るや否や橋下流右岸へ入川。2位、3位の方たちの対面で良い場所でしたが、左岸の方が早くポジション確保していたのでその下瀬落ちへ。やり難い所で掛けてドンブリもしていましたが、今度は打って変わって瀬脇のたるみ、分流の細い流れなど次々におとりを入れていきます。そのままトロ尻まで探りながら上がって行かれました。動いた距離は一番だったのではないでしょうか。この行動力、折れない、そして最後まで諦めない精神力、あらゆる可能性を探る技術、実力者揃いの巴川遊鮎遊を引っ張るだけのパワーを十分感じました。


 結局橋下の鮎が沢山見えるポイントは誰も竿を出さず。川へ立って見ると全く魅力の無いポイントに見えるのでしょうが、こういった所にも居るんだなと参考になりました。最後はお楽しみ抽選会。今年はくじ運が良いのか悪いのか分かりませんが期待していましたが、入らないTシャツで残念。最終まで当たらなかった斎藤さん。最後の最後で温泉ペア宿泊券をゲット!充実した2日間を終わりました。


 大会の反省
 良かったところ
おとりを頻繁に替えることを実践し掛けることができた
自分の釣りが出来なくても数を揃えてくる釣りを見られた
名手たちが選ぶポジション、そしてどう動くのかが参考になった
見落としやすい所にも好ポイントが有ることを実感した


 悪かったところ
逆光ポジションに立った
移動しなかった
 
朝一のポイント。逆光で何も見えません! 上流側は見えましたが攻められません。上のトロには無数の群れ鮎が居ました。
Dブロックおとり配布場所。上流側はトロしか見えません。 石色は大内山に似た感じ。明るい所で掛かった。
橋下流の平場は良く掛かっていました。ここで飛騨川と合流 大会を盛り上げる大前さん。「まじめ」にやっていたのが少し不思議?
スタッフの方々、ご苦労様です。
実力者ばかりのお立ち台。濃いメンバーです。

 馬瀬川下流 7月17日 第5回馬瀬川下流鮎釣り大会

ポイント(Googlemapにリンク) 釣 果 竿 天井糸 上付け糸 水中糸 下付け糸
飛騨川合流点 6匹 シマノバーサトルH2.75 9.0NB フロロ0.6−3.5m 無し 北越乱SP0.05-5m フロロ0.3-15cm
鼻管ハリス 手 尻 針ハリス 逆さ針 鼻 管 その他
フロロ0.6-21cm 0cm イニシア6.75-4本 フロロ1.2 オーナー白一体2号 オーナーチタン6mm 小澤式鼻管