本当は選手として参加するつもりがなぜか今回はスタッフとしての参加です。ということで大会運営の様子と担当となったインストラクター戦の様子をリポートします。土曜の13:00に本部へ集合。まずは簡単な自己紹介の後、大会の流れが説明されます。分単位のスケジュール表を見ながらの確認とエリア旗の設置や現場確認、おとり手配の最終確認、競技ルール確認を行います。
 エリア確認では最新の状況を基に色々検討して最終決定するんですね。その後はABとインスト戦に小道具を振り分けてホテルへ移動です。夕方インスト戦の抽選を行い、その後は食事です。なんせ名手に色々聞けるチャンスです。宮井さんには「deibuさんか?」と聞かれました。ヒデVさんぱたさん鮎味亭さんなどネットは良く見ているそうです。


 翌朝は4:30に現地入り。早くも参加選手たちが動き出しています。deibuは担当のインスト戦集合場所へ移動しました。名皿部橋上流がおとり配布場所です。名皿部橋上流は1日から網解禁となっていてシビアな戦いが予想されています。そして昨日のインストラクターミーティングで、橋から上流30mは釣れるので禁止エリアとすること、その代り上限は徒歩移動可能ならどこまでもOK!と言うことに急遽変更されました。インスト戦なので細かい説明はほとんど有りません。まずはおとりを配布し、その後ゼッケン順に10秒置きにスタートします。追い越しOKですがほとんど追い越さないようです。


 6時を待って1試合目スタートです。網が入っている、渇水で垢は付き過ぎ状態、一般の釣り人は極わずか。この条件下で名手達はどこを選ぶのか。下流側から早瀬に三嶋さん。でも迷い中の様子。次に少し離れて5名並んでいます。右岸トロ下流の瀬に左岸向きで榎本さん、トロの開きに島さん、トロ中間に浅利さん、トロ流れ込みに宮井さん、その上トロ脇の岩盤筋に中里さん、トロの馬の瀬に森さんです。島さんの前では鮎がピョンピョン跳ねています。6時、静かななかにも何か緊張感が漂ってスタートです。
 開始早々最初に懸けたのは最上流の森さん。他の方はなかなか掛かりません。三嶋さんは少しづつ動きながら探っています。他の選手は大きく移動せず丹念に探っています。6:40、島さんと中里さんが大きく移動。島さんは早瀬を探りだしました。中里さんは同じトロですがやや深いところへ。試合が動き出したのは6:50、粘っていた浅利さんの竿が大きく曲がります。おとりが代わって53分、56分、58分(バレ)、7:01、03分、08分(うち1匹はウグイだったそうです)と連発して一気に抜けました。
 すぐ上でトロ流れ込みの複雑な流れを丹念に探っていた宮井さんは1匹は取りましたが追加できず7:04に少し移動、中里さんが朝攻めていたポイントの吸い込みで7:10に貴重な2匹目。深みを攻めていた中里さんも6:52に1匹目、7:02に2匹目、終了間際の14分に3匹目をゲットです。移動しなかった森さんは最初の1匹目が隅1となってしまいました。瀬を中心に攻めた榎本さん、島さん、三嶋さんは釣果なしで1試合目終了。@浅利さん7匹、A中里さん5匹、B宮井さん4匹。トロで掛かった鮎は放流魚が多かったようです。


 第2試合までのインターバルは40分あります。インスト戦では移動が無いので十分な時間があります。開始30分前にはおとり配布し各自ポイントへ。浅利さんが入ったポイントは三嶋さん以外が把握しているはずです。どのようなポイント取りをするのか。第1試合では瀬は×、トロが○、チャラは誰も探っていません。
 8:10第2試合開始です。配布場所から下流へ榎本さん、浅利さんが第1試合と同じ位置、並んで中里さん、中里さんが第1試合で後半やっていた辺りに宮井さん、森さんも同じ場所、三嶋さんはかなり上流へ。石組堰堤の下流右岸側分流です。島さんは更に上流、万場橋のピーヤに居ました。橋から上は専用区で網が入っていません。90分の試合時間中に帰着なのできついですが、戻りながら探ることも可能です。  皆がばらけての試合だったため経過は分かりませんが、第1試合と同じく浅利さんが安定して掛け7匹で@、隣で中里さんも手堅く5匹でA、宮井さん4匹でBと上位3名は第1試合と同じ結果となりました。


 第2試合を終えて2位までに入れる可能性を残すのは浅利さん、中里さん、宮井さん、森さんの4名に絞られました。1位、1位と取っても最終7位だと逆転される可能性があります。釣果なしでも不思議ではない今回の状況下では上位2名も気を抜けない第3試合となります。


 第3試合は10:20開始です。皆の位置取りはどうなったか。三嶋さんが最初配布場所前の瀬肩に位置取りしましたが、考えて移動。すぐ下に位置取りしていた浅利さんがそこへ。少し上のザラ瀬に榎本さん、三嶋さんと続きます。第1、第2試合で釣果の出たポイントは一般の方が入っていて出来ません。その下では網を打っています。その上トロ尻のチャラに森さん、その森さんが2試合選んだ場所に宮井さん、その対面やや上流に中里さん、そしてずっと上に島さん。
 開始早々チャラに入った森さんが4連発、しかし根掛かりでその場を潰し、下がりながらチャラの石と石の間を巧みに泳がせています。中里さんも早い時点で1匹目、宮井さんも森さんが立っていた位置から反対向きの岩盤の間を流れる緩い流れを攻めて27分、36分、37分、43分と猛チャージ!しかしおとりが石の間に入ってしまい外しに行ってこの場所を潰してしまいます。少し下流側へずらしましたがここでは結局追加できず。それを見ていた中里さんがその場所へ入り手堅く追加しました。森さんはその後左岸際で連発し9匹で@、最後に意地の8匹で島さんがA、6匹で宮井さんと中里さんがB、そして浅利さんは手堅く5匹でD、で全国へ!


 さすがにベテラン2人は2試合終わっての優位を崩すことなく終了。浅利さんと2年連続で中里さんが全国行きを決めました。浅利さんは竿リミプロMI-H2.6、90-95にメタルフレックスの0.06、針は一角7.5の3本錨、中里さんはリミプロMI-H2.6、90-95に撚り糸メタルの0.06を使用、島さん三嶋さんはプロト、宮井さんは競ボクサー、榎本さん競FW2.6、森さんリミプロFW-H2.75、90を使用していました。
 見ていて感じたのは、第1試合は最初のポイントで粘って掛けた浅利さんが勝利し、第2試合にもそれを活かしました。一番良いところに入ったかに見えた島さんが移動し瀬で掛けられず。最初の1匹がこうも影響するのかを実感した瞬間です。短時間の試合では1匹目は本当に貴重ですね。
 そして試合巧者は中里さん。人の動きも良く観察していて試合全体の流れの中で移動している感じです。ポツリポツリと確実に釣果を増やしていきます。宮井さんは逆に自分の選んだポイントを納得いくまで攻め立てます。ハマれば連発です。森さんも自分スタイルを貫く試合運び。一番移動距離が短かったと思います。泳がせに拘り、きっちり第3試合では最高釣果を叩き出しました。また、遠くまで行って最後は走って帰着した島さん。試合に挑む姿、集中力は一番で、オーラを感じます。
 名手7名それぞれの試合運びをじっくり見ることが出来て非常にためになりました。網が入ると瀬や石の荒い所が良いのでは?と思っていましたが、網打ちを見ていると瀬はもちろん段々瀬や石が沢山頭を出しているようなところ、分流の細流れなどを狙って網打ちしていました。打たないのは水深のある緩い流れ。打っても鮎が逃げてしまうんでしょうね。これも良い勉強になりました。


 一般選手のセミファイナルでは昨年揖保川で一緒に下見をさせてもらった河合さんが優勝、準優勝は板取予選優勝の猿渡さん、3位は大内山で毎日早朝練習している森川さんとやはり厳しい河川状況下では実力者が結果を残すこととなったようです。特に猿渡さんの仕掛けですが、ナイロン0.175と複合0.05、針は7.0号と5.5号を使い分けたそうです。これにはびっくり!人の釣りをこれだけじっくり見たことが無かったのですが、非常に勉強になりました。来年はやっぱり選手で出るぞ!
 
まずはスタッフマニュアルの読み合わせからスタート。 スタートを待つインストラクター。
和気あいあいとしたなかにも緊張感が走ります。
第1試合のポジション取り。三嶋さんはここから。
動き出すのは早かった。
第1試合のポジション取り。榎本さん。トロから流れ出す
ところで良さそうに見えましたが・・・
第1試合のポジション取り。島さん。大石廻りで鮎がピョンピョン跳ねて
良いところへ入ったなぁ、と思いましたが・・・
第1試合のポジション取り。浅利さん。最初は画像左端から
開始。1匹目を取った後はこの間で釣果を伸ばしました。
第1試合のポジション取り。宮井さん。白泡周辺を丹念に
探っていました。
第1試合のポジション取り。中里さん。ここでは
掛からず少し上に動いてから着実に掛けていました。
第1試合のポジション取り。森さん。第2試合も同じポジション。
鮎が見えていたのか。
第1試合の途中で移動した2人。右岸が榎本さん、
左岸に見える竿が島さん。ここはシブかった。
第2試合島さんはここまで歩いた。橋上から見ると鮎は
見えましたが、数は少ない。
第3試合開始。画像左端でおとり配布。瀬肩に陣取っているのが
浅利さん。ここで全国への切符を確実なものにした。
第3試合。トップ釣果を叩き出した森さんのポイント取り。
道路から見ると沢山の鮎が見えた。天然遡上鮎だ。
腰まで浸かっているのが中里さん。終始トロ場を攻め続けて
2年連続の全国行き。非常に試合巧者。
第3試合の宮井さん。この後反転して4連発! セミファイナル勝ち上がり全国行きの方々。
実力者ばかり。厳しい状況下では経験は大きな武器になります。

 シマノジャパンカップセミファイナル中日本大会観戦記 8月8日

ポイント(Googlemapにリンク) 釣 果 竿 天井糸 上付け糸 水中糸 下付け糸
名皿部橋上流            
鼻管ハリス 手 尻 針ハリス 逆さ針 鼻 管 その他